細胞
1つの細胞を包んでいる「細胞膜」はコレステロールなどの脂質(=油の仲間)でできている。コレステロールと言えば、健康診断の結果で高値だと、指摘されますが、ホルモンをつくるのに必要な体内では大切な物質という側面もあるのです。
水と油の関係を見れば明らかですが、細胞膜は水溶性の物質ははじき、脂溶性の物質とはなじみがよい。
ホルモン
ホルモンという言葉は、「引き起こす」という意味のギリシャ語に由来する。
ホルモンは、細胞に働きかけて、細胞自身の代謝(仕事)を亢進させたり抑制させたりして、細胞の活動を変化させるというのがおもな機能の物質。
3種類に分類される
1.アミノ酸系ホルモン(水溶性)
A.タンパク質・・・インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、性腺刺激ホルモンなど
B.ペプチド・・・胸腺、副甲状腺
C.アミン・・・アドレナリン、甲状腺ホルモン、メラトニン
松果体、視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、胸腺、副腎髄質、膵臓で作られるホルモン。
「ペプチド」とは、たんぱく質を構成しているアミノ酸からできる物質。
水溶性ホルモンは、水に溶けるので血液に溶けて血管を通り、臓器に運ばれる。
水溶性のホルモンは(甲状腺ホルモンを除き)細胞膜を通りにくいので、細胞表面に受容体(専用の受付)がある。
ペプチド系ホルモンが細胞膜の受容体に結合すると、その情報が細胞の中に伝えられ、細胞の中の代謝が変わります(=そのホルモンの働きが発揮され目的が果たされる)。
2.ステロイド系ホルモン(脂溶性)
生殖器(精巣、前立腺、卵巣など)、副腎皮質で作られるホルモン。
ステロイド系ホルモンはコレステロールから作られる。コレステロールと言えば、健康診断の結果で高値だと、指摘されますが、ホルモンをつくるのに必要な体内では大切な物質という側面もあるのです。
例)性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロン)、コルチコイド
ステロイド系ホルモンは、体内のタンパク質などに結合して血液中を移動する。
脂溶性のホルモンとなぜか甲状腺ホルモン(水溶性)は、容易に細胞膜を容易に通過でき、細胞内にある細胞核に入り込み、DNAの情報伝達にまで作用する特性を持つ。
これは、ステロイド系ホルモンは、遺伝子自体に作用するという点で奥が深く、細胞の表面的に働くペプチド系ホルモンとの大きな違いです。
受容体(=ホルモンの専用受付)は細胞の中にあり、ステロイド系ホルモンが受容体に結合すると、細胞核の中に入ることができ、そこで遺伝子情報をもとに行われる仕事に指示を出す。
ホルモン様物質:プロスタグランジン
ホルモンに似た働きを担っている物質。
細胞膜の構成成分に似た、脂質系の物質。
参考文献
●人体の構造と機能第4版 エレインN. マリーブ, R.N., Ph.D.著 医学書院