今さらシリーズ| 感情をコントロールできるのが大人なんじゃないの?

感情とは

感情とは、喜怒哀楽のこと。
感覚を伴い感じられるもの、気持ち、気分。

感じたものに、正解・間違い、良い・悪いはありません。
その人がそう感じたのは、その時の事実です。
(事実とは、実際に自分が感じた感覚が自分の内側にあるという意味で使っています。事実とは、真実とは違います。)

人間は、ポジティブな感情には良い記憶が、ネガティブな感情には嫌な記憶がくっついていることが多いです。
そのため、ポジティブな感情を味わうとよい気分になり、ネガティブな感情を味わうと嫌な気分になります。

特徴その1 感情とは流れるもの

感情は、自分の外側の何かに刺激されることで反応して出てくるもので、出てきては、流れていきます。
感情は、海の波や渦のようなもので、生じたり消えたりする性質です。

喜怒哀楽のうち、生命の危機にかかわると感じられるものほど、強く激しく表現されます。
怒りや絶望感、恨み、孤独感などのことで、こういった感情はまるで嵐のような感覚に陥ることがあります。

「感情をコントロールする」という言葉がありますが、実際には、感情はコントロールするものではありません。

どちらかといえばうまく乗りこなすもの。
感情の嵐に巻き込まれない状態でいる、ということでもあります。

ですが、巻き込まれないようにしたり、影響を受けないようにする必要はありません。
このような方法で感情をコントロールしようとすると、自分の思いや感情を抑圧しているだけになることがあるからです。

抑圧すると、自分らしく軽やかに生きる生き方とは真逆になります。

感情は、生じたり消えたりするのをそのままにしておきます。
すると、過ぎ去っていきます。
これは、辛い経験をしたときに使われたりする「時が解決してくれる」というのとは、似て非なるものです。

そのままにさせておくと過ぎ去っていくので、その結果、自分は感情の渦に巻き込まれないでいられている状態がそこにあり、感情をコントロールできているように見えるわけです。

特徴その2 感情は感じるもの

自分の外側の何かに刺激された反応として、生じるのが感情ですが、その反応はリトマス試験紙みたいなもので、大きく分けると、良い感じ/嫌な感じの2つに分けられます。

感情は、今の自分(今までの自分)の反応を知ることができるツールです。
そして、感じるものであり、体験するものです。

その感情を体験するために、その出来事が起こり、その感情が湧いてきたので、十分に体験すると、それで終わります。
同じ体験を繰り返すことはなくなります。

特徴その3 感情は表現するもの

感じていることを、自分に正直に語らせていますか?
本当の気持ちを吐き出させることは、自分らしく軽やかに生きる生き方や、自分の望みを叶えていける生き方に、重要なポイントとなります。

たとえば、特定の相手への怒りや不満がある場合なら、自分の思いや欲求をすべて自分に語らせます。
私は、ノートに書き出すのが個人的におすすめです。

語らせると言っても、必ずしも、直接、相手に向けて怒りをぶつけたり、思いを吐き出すという意味ではありません。

安全な場所で一人で、もしくは、相手も自分も傷つけない方法で表現することを指しています。

体と心の器を育てる

感情を十分に体験したり、感情を相手も自分も傷つけない方法で表現するには、体と心の器があると、楽に行なえます。

体と心の器とは、専門的には、腹側迷走神経系を中心として各神経系の調整がスムーズに行えことを指しています。
それは決して、懐の深さ、忍耐力、意志の強さがあるという話ではありません。

体と心の器は、幼少期に養われるものではありますが、大人になってからでもその気になれば育てることができます。

感情の適切な表現方法

感情の扱いで難しいと感じるのは、ネガティブな感情が生じたときではないしょうか。
悲しみ、恐れ、怒り、憎しみ、妬み、恨みなどは、ネガティブな感情と言われます。

どんな感情も必要なだけ表出したら、消えていくものなのだ、という知識を持っておいて、ネガティブな感情が生じても慌てなくても良いことを、思い出してみてください。

●ネガティブな気分になったら、ネガティブな何かが出ているな、と気づいてみましょう
●可能な限り、静かになれるところで過ごし、感情の嵐が静まるまで待ちます
●不快な感情を、避けよう、なくそう、うまく対処しよう、とする必要はありません
●溢れ出すストーリーではなく、感情と体感のほうにフォーカスします
●出てきた感情が何かを調べることができたら、その感情の正体を認知します
「これは悲しみだな」などです。

ネガティブか気分になった「原因探し」ではなく、「この感じの正体はなんだろう」と、体感を感じて探っていきます。

胸のあたり、あるいは、お腹のあたり、喉のあたりに、何らかの不快な感覚が感じられるかもしれません。

その感覚とともにいながら、終わるのを待ちます。
抵抗せずに待っていると、正体が見えてきます。
待っている間、抑圧されていた思いが浮上してくることもあります。

十分に体験したら繰り返さなくなる

感情の正体を認知することで、感情の抑圧が解放されやすくなります。
感情の解放が十分に起こり、完全に解消されると、もう繰り返さなくなります(癒しの完了)。

感情の解放が数回に分かれて行われることは、珍しいことではありません。
その場合は、以前解放したはずなのに、また同じようなことか繰り返えされている、と見えるかもしれませんが、回数を踏むごとに弱まっていくのが感じられます。

弱まっていく様子がないとしたら、解放が適切にできていない可能性もあります。

著者:清水 綾香

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