自分のことが好きになる方法

はじめに

私は自己肯定感が高いタイプだと思っていたのですが、社会人になり、組織の中でうまく立ち回れるタイプではない自分が浮き彫りになってきました。
30代半ばから自己肯定感は下がり始め、40手前で「このままいくのは違う気がする」と気づきました。
自信を喪失し、かなり うつっぽくなってしまったからです。

そもそも自己肯定感が高いタイプだと思っていたのは、生きづらいとは思わなくなった今の私が当時を振り返ると、自己肯定感が高い人になろうと頑張っている自分が、「自己肯定感が高いタイプの人」に見えていたのだな、と理解します。

私が自信喪失してうつっぽくなるに至るその過程では、自分を高めるためにずっと自分と向き合っていました。
転職を重ねてやりたい仕事が叶ったのに、自信が持てない自分がいました。
20代半ばのころです。

自信のなさを埋めれば自信が持てるようになると無意識に思っていて、自信が持てないのは自分にまだ足りないものがあるからだと疑うことなく考え、自信が持てるようになるために、自分と向き合い、今の自分に必要だと思う知識やスキルを片っ端から学びに行っていました。
そんなことを15年以上かけてきても、自分が20代半ばから大して成長していないのを突きつけられるような出来事が起こるので、ついに自己肯定感が底をついてしまった、という訳です。

自信が持てない本当の原因は、自分の体の声を聴けていないことにありました。
いや、正確には、体の声は届いていたんだけど、それを拾えていませんでした。
だから、ずっと積み重ねてきた努力の方向が、真逆なくらいにズレてしまっていたんです。

そのことに気づけて、どうすればよいのかもわかって、最終的に自分を好きだなと思えるまでに私が取り組んだことを、この記事に書いてみます。
この世に同じ人はいないから、私の話がどれくらいあなたのお役に立てるのかはわかりませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。

ゴールはどこ?方向性と着地点

ところで、「自分のことが好き」って、どんな状態だと思いますか?
自分のことを好きになったことがないと、どんな状態なのかさえわからなかったりします。

「新しい生き方」をすると決めた当時の私は、「きっと、自分が自分であることを楽しめている状態だろうな」と、想像することしかできませんでした。

人間誰しも、いろいろな側面を持った複合体です。
好きなところと、「もっとこうだったらいいのに」と思うところが両方あるものです。

好きになれないところまで、好きになろうとして苦しくなっていませんか?

「自分のことが好き」というのは、あなたの1つ1つの性質をバラバラに見て、すべてを好きだと思える状態にしていくことではなくて、トータルで見てうまく運営できていると感じられる感覚だと思っています。
たとえば、会社組織でも、いろいろな人がいて凸凹を埋め合ってうまく運営できるのがよい組織だと思うのです。

自分という人間をうまく運営できていると、嬉しいですよね?
うまく運営できているときに味わう嬉しい感覚が、「自分のことが好き」な感覚です。
うまく運営できると、欠点や弱みがあっても、自分がのびのびできます。

自分のことが好きになれない、でも本当は好きになりたいというときは、まずは、【向かうところ=方向性、着地点】をこんな風に定めてみてください。

思い・感情・行動の一致

ところで、自分のことをうまく運営するって、何をどうすることを言うのでしょう?
それを見つけていきたいときは、「自分の思い・感情・行動が一致する状態」の自分に取り組み始めましょう。

具体的には、思っていることや考えていること、感じていること、口にする言葉、態度、反応、振る舞いなどすべてが、チグハグになっていない自分になることを指しています。

自分の思い・感情・行動が一致しているとき、あなたの内側には、迷いや不安が残らないはずです。
のびのび、生き生きして、うまく運営できている状態のときも、迷いや不安が残っていません。

この状態が自分に定着すると、
●どんなことが起ころうとも、自分に必要な選択ができる状態になっていて、自信を持とうとしなくても自分への信頼があります。
●人にどう思われるかが気にならず、他者に対する不満に心や時間を費やす必要がなくなり、他者も自分も尊重して自分のことに集中できるようになっています。
●自分の可能性がもっとも発揮できる状態になっています。
●自分にとって心地よい人生が、どんどんカタチになっていきます。
つまり、自分のことをうまく運営できていて、生きやすくなっています。

自分自身とも、他者とも、起こるできごととも、ちょうどよい関わりができるのが「自分のことをうまく運営できている状態」だと思うのですが、そのための土台となるのが「思い・感情・行動の一致」なのです。

ぜひ、これを実践し始めてみてください。

自分と自分以外の境界線

生活や仕事において他者と関わる場面で、自分の思い・感情・行動の一致を図るとき、他者との境界線もわかると、行動の選択がしやすくなり、人間関係でも自分をうまく運営できている状態を感じられます。
実際、コミュニケーションもぐっと楽になります。

まずは、自分の境界線がどこまでなのかを把握することから始めましょう。
境界線は、「自分でどうにかできること」と「自分ではどうにもならないこと」の境目にあります。

大切にしたいことなどは人それぞれ違うので、細かな部分は自分で決められますが、この境目の目安を押さえれば、細かな部分も次第に自分で決めやすくなっていきます。

境界線がわかると、行動を選択するときにも、選択肢がより明確になります。
後から一人反省会をして落ち込んだり後悔したりすることも、なくなっていきます。
コミュニケーションの苦手意識も和らいでいくはずです。

停滞期/ぶち当たる壁

●自分の思い・感情・行動を一致させる
●自分以外のものとの境界線を踏まえた行動を選択する
とやっているつもりなのに、うまく行っている感じがしないときがあります。

そのようなときは、自分を客観視して、自分の内側で何が起きているのか丁寧に見ていきます。
たとえば、拾えていない本当の思いが隠れていないかとか、思いと行動に気づいていなかった葛藤がないかとか、どこかに思い込みや勘違いがないか、などです。

まずは優しい眼差しをつくって、自分に向けていきましょう。
否定も、責めも、叱咤激励もしない、ニュートラルな目で眺める感じです。

自分が後退しているように見えるとき、それを失敗だとすることも、つまづきを解消していく経験を自信を育てる糧にすることも、自分で選択できます。

つまづきを、失敗、自分への査定と捉える方を選択すると、「やっぱり自分はダメだ」と、再び自信を失う方へ行きやすいです。

優しくニュートラルな眼差しは、物事を長い目で見ることもできる目です。
自分のことを見ている目の力を緩めることができるか、試してみてください。

自分のことをうまく運営できるようになるまでのプロセスは、自転車が乗れるようになるプロセスと似ています。
「ペダルをこいでみる」ことをすっ飛ばして、乗れるようになる日は来ないので、いわゆる反復練習は必要です。

反復練習していたある日、不意にうまくこげるようになった、ってこともあると思います。

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