思考とは
思考には、私たちが普段考えを扱うときに使っているものと、直観(言うなれば、魂目線の思考)の、大きく分けて2つあります。
この記事では、前者について書いていて、「思考」という言葉は私たちが普段使っている思考という意味で使います。
思考は、思いや考えのことで、心の中や頭の中の言葉、声、おしゃべりです。
物事の判断が思考に偏ると、自分らしく生きることを歪ませることもありますが、思考があるから、望みを叶えていったり、人間として社会生活を送ったりできます。
特徴その1 思考は過去に属している
どのような思考もすべて、その人の過去に属しています。
思考は、過去の学びや体験で記憶された「知っていること」をもとにした、思いや考えです。
未来を想像する時さえも、未来に過去を投影しています。
過去の体験や記憶をもとに、期待や懸念をしたりします。
アイデアを練る、計画を立てる、注意を向ける、ツールを探すなど、思考は人生を創造するのに必要です。
特徴その2 思考は2タイプある
思考には、「考える思考」と、「考えさせられている思考」の2タイプがあります。
考える思考とは、意図して行なう思考です。
考えさせられている思考とは、あなたの外側の何かに刺激されて、スイッチを押されたかのように自動的に湧いてくる思考です。
特徴その3 思考は意味づけが好き
思考は意味づけするのが好きです。
意味づけすることで、安心したり、不安になったりします。
あなたの現実は、あなたの思考が意味づけしたものです。
つまり、あなた自身がどんな観念や価値観を持っているかが、目の前の現実に映し出されるので、どんな思考をするかによって、人生で起こることが違ってきます。
特徴その4 思考の嵐/ネガティブ思考の沼
人と関わっていると、イラッとしたり、グサッときたりすることがあります。
そんなとき、後から後からさまざまな考えや思いが湧いてきて止まらなくなることはありませんか?
私はこれを、思考の嵐と呼んでいます。
思考の嵐にひとたび引き込まれると、心配性な人ほどネガティブな考えが溢れてきて、焦りや絶望に陥るかもしれません。
私はこの状態を、ネガティブな思考の沼にハマる、と呼んでいます。
これらのパターンは、「考えさせられている思考」が優位の状態です。
思考の嵐は、ネガティブな思考に、ネガティブな感情、不快な感覚などが絡み合っています。
たとえば、胸のあたりやお腹のあたりに不快感があり、落ち着いてはいられない感覚が全身を走って、怒りや、不安・焦りなどの感情も一気に出てきていると思うのです。
相手への批判、最悪の事態の想定、どうやって切り抜けるか言い訳を考えたり、平和ではない考えがどんどん出てきます。
心臓もバクバクしてきて、起きた状況によりけりですが、怒りが止められなくなったり、不安や焦りがけっこう深刻になったりします。
私もしょっちゅうこのような状態に陥って、そのたびに心労を味わっていましたが、思考の嵐が起きたとしても、引き込まれず、ネガティブな思考の沼にハマらないでいることもできるのを見つけました。
思考に良い・悪いはあるのか?
「ネガティブな思考はネガティブを引き寄せるから良くない」のでしょうか?
私が知っていることをお伝えすると、良い思考とは、その人にエネルギーを与えてくれるかどうかが目安になります。
このエネルギーとは、強さというよりは、安心や平安です。
エネルギーを与えはしないけれども、奪うこと(エネルギーの消耗など)もない思考は、悪い思考ではないと言えます。
たとえば、ネガティブ思考が出てきてもそれと適切な距離感を保てていたら、エネルギーの消耗はありません。
思考の良し悪しも、自分の思考の扱い方次第です。
その人にとっての思考の良し悪しは、人生が不満だらけになるか、喜びでしかなくなるかを分けます。
この「自分次第」という言葉を言われるたびに、落ち込む方もいるかもしれないのですが(これ、以前の私です)、事実なのでそのまま書きます。
ただ、「自分次第」の真意がわかると、それほど落ち込むことでもないとわかるはず、ということも申し添えておきます。
思考の適切な扱い方
ここまでの説明をまとめると、
●何を思考するか、私たちは意図して行なうことができ、
●何を思考するかで、人生のストーリー(意味づけ)が決まり、
●人生で、どんなことが起ころうとも、思考の嵐やネガティブ思考の沼にハマらないで生きていくこともできる
ということです。
ひと言で言えば、起こることは選べないけど、何を思考するかは、完全なる自由なのです。
ならば、自分にメリットのある思考(良い思考)をしましょう!って思います。
辛い経験をたくさんしてきた人の中には、そんなふうにあっけらかんと思えない人もいるかもしれません。
そのような場合は、「そんなふうに思ってみてもいいかな」と思えるまで、少しずつゆっくりと心や体をほどいていくのが合っています。
思考の適切な扱い方とは、思考に巻き込まれないことです。
それは、自分自身と自分の思考を切り離して(適度な距離感を持って)、思考を一つの「ツール」として使うイメージです。
●自分の思考に興味を持ってみましょう
●考えている思考か、考えさせられている思考か、調べてみましょう
●考えさせられている思考なら、それは思考が作り出しているストーリーだ、と気づきましょう
●ストーリーだと気づいたあとは、ストーリーをそのままそっとしておき、否定したり、止めようとしたり、信じ込んだりせずにいましょう
心が乱されることが起きても、このようなプロセスを踏んで思考と適切な距離感を持っていられると、いわゆる「冷静になれる」ので、後から後から湧いてくる「考えさせられている思考」ではなく、自分が意図的に行なう「考える思考」を使って、今できること、今したいことを自分自身に確かめやすくなります。
思考は、こんな風に扱えるようになると、人生が生きやすくなると思います。
著者:清水 綾香
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