いつから生きづらさを自覚し始めるのだろう
生まれたときから生きづらい人って、いないと思います。
なぜそう言い切れるかというと、自分の状態を「生きづらい」とわかるには、生きづらくない状態があることを知っている必要があるからです。
赤ちゃんの頃の記憶がある人の話では、生まれたときは、自分と他人の区別がまだついていないそうです。
生まれたときは、「人と自分を比べる」ということも起こらないことになりますね。
「自分は生きづらい」と認識するには、
①自分以外の人との比較(あんな風に私も軽やかに生きたい)
②過去の自分との比較(以前はあんなに軽やかに生きていたのに)
のどちらかの比較をしている、ってことになります。
そのあたりに、生きづらさを感じる本当の理由や、生きづらさを根本から解消していく方法のヒントがあると、私は気づきました。
「生きづらさ」が悩みになる人・ならない人
自分のことを、みんなみたいに器用にできない、普通のことが普通にできない、「なりたい自分」になかなか向かっていけない、と思っていたとしても、自分のことを愛おしく思えたり、自分なりの成長を感じられたら、生きづらさを味わうことはないのではないでしょうか。
(私は生きづらくない生き方をしようと決め試行錯誤していた当時、このような仮説を立てましたが、今実際に生きづらいとは思わなくなってみて、仮説どおりだった実感です。)
たとえば、「私は、みんなができていることがすんなりとできない」としたら、その自分で生きていくときには「生きずらさ」を感じる場面もあるでしょう。
でも、それが悩みになる人と、ならない人がいます。
別の言い方をすると、苦しみの原因になるかならないか、という話です。
努力しているのにいつまでたってもできてない(成長してない)、この程度ではできたとは言えない(自分に厳しい)、そんな体験を何度も繰り返していると、いつしか「悲しい」を通り越して「生きづらい」と、なっていきました(私の場合)。
生きづらさや苦しさの正体
「生きづらさ」「苦しさ」を感じる本当の理由は、バグだと思っています。
そして、それは心の中や頭の中で存在する概念です。
体感を伴うから、臨場感があって心の中や頭の中だけにで存在するものとは、思えないですけれど。
バグとは、誤作動や不具合。
システムエラーで本来とは違う動作が起きていたり、うまく機能してないところがある、という意味です。
それにより、無理な力が加わったり、調和が取れずに摩擦が起こるから、苦しくなります。
生きづらさは「自分は負け組だ」「自分はダメだ」というサインではないのです。
何らかのバグがあることを、体が教えてくれている。
実際に、自分の体のシステムエラーを修復していったら、感じ方、考え方、捉え方、行動、表情、疲れ方、体の痛みなどが変化していきました。
最終的には、何かと自分を比べても苦しくなることがなくなり、結果、「生きづらさ」とは無縁になります。
体はいつでも正解を知っている
体のすることは、いつでも”今”の正解です。
体は、”絶対に”間違うことがありません。
潜在意識ともつながっていて、”その人にとって”の正解を知っています。
絶対に間違わないとは、自分にとって「損」とか「失敗」が起こらないという意味ではなく、「体にとっての今の最適」をいつでも体は選択してくれている、という意味です。
体は、誰からも教わらなくても傷を治す方法を知っているし、体温を保つ方法、発熱して外から入ってきたウイルスと戦う方法、食べたものを消化する方法も知っています。
体に備わった「叡智」のおかげです。
医学用語だと「ホメオスタシス」と呼ばれるもの。
体の中では、体の外からの刺激で起こるさまざまな変化に対応しながら、調和が保たれるよう運営されています。
自分の表情、態度、行動など体で表されているものは、今までの自分の神経系のパターンの現れです。
そして、感じ方、気分、考え方、捉え方など心のことは、体の反応と連動しています。
つまり、生きづらさを打破するために何か対処を施すとき、心(精神)だけではなく、体も一緒に扱っていくのは、重要なカギとなります。
悩みがさらに深刻化するのは要注意
ネットで【 生きづらさの原因 】と検索すると、たくさん出てきます。
目に留まった情報から、アレがいけなかったのではないか、私にはこんな課題があるのではないかと、自分の中で原因探しが始まることがあります。
今の状況を打破するための何かを探すときに、あなたの悩みがさらに深刻化したように感じたり、余計に落ち込んだりするとしたら、その情報を見る行動は今のあなたにとっては逆方向です。
生きづらさから抜ける出口は、心や体が楽になる方向にあります。
「楽になる」とは、余計な力が入っていない状態のことを指しますが、脱力した状態とか、抜け殻のようになっている状態とは、まったく違うものです。
体が本来の動きができると、心も自由になります。
著者:清水綾香