気づきの自己対話のやり方1(準備編)の続きです。
まだの方はこちらからどうぞ!
気づきの自己対話のやり方1
今回の記事では、自分との対話の実際について言語化してみます。
行なうタイミング
気づきの対話はいつやってもよいのですが、下記のようなタイミングは、潜在意識の思いが浮上しやすいので、とくにおすすめです。
●モヤモヤ、ザワザワするとき
●イヤな思いをしたとき
●イラっとしたとき
●傷ついたとき
など。
このような状況にあるとき、あなたの中で何かが反応しているはずです。
その反応が浮き彫りになっているので、そこを糸口にします。
ただし、あまりにも強い刺激や衝撃を受けたときは、その反応が大きすぎて、実は体が圧倒されていることがあります。
そう自覚できることもあれば、自分では圧倒されているとは気づいてないこともあります。
そのような状況の時には、ここに記してあることをすべてやろうとはせず、「軽めに少しずつ」行なうようにします。
大まかな手順
手順通りに進めていくものではないので、大まかに知っていただくために言語化してみます。
1.落ち着く場所で
2.目を閉じてみる
3.今の体の様子に気づいてみる(気づけた場合は、その状態にとどまることはできそうか)
4.感情の渦(高ぶり)がある場合、過ぎ去るのを待てそうか
5.あとからあとから考えや説明が出てくる(思考の嵐)状況があるとしたら、それらと距離を持つことはできそうか
6.再度、今の体の様子に気づいてみる(自分の内側に落ち着ける場所があるか全身を探してみる)
7.ここまでで、今、何がライトアップしているか(引っ張られるとか、気になるとか)
8.7の内容によって、次の対応が枝分かれしていく感じです
「モヤモヤする」「傷ついたな・・・」「イラッとする」という状態は、ざっくりした塊のままになっています。
でも、実際には、体の状態、感情、考えなどさまざまなものが、からみ合ったような状態がそこにはあります。
その状態に好奇心のあるまなざしを向け、1つ1つ眺め、把握していくと、解体されていきます。
やり方の例
やり方をお伝えするとは言いましたが、対話がどう展開していくか、対話によって何が出てくるかで流れは変わるので、手順をお伝えすることは不可能なのが実際です。
そのため、試してみていただきたいことについて、いくつか説明します。
これを読んでくださっている方の状況は、さまざまあると思いますが、この記事ですべてに対応するのが難しいことへの対策として、心身への負荷が比較的軽いものから順に並べます。
ご自身の判断にはなりますが、心身への負荷が大きくならないように行なうための参考になさってください。
1.今の自分の状態を、緩めたりスペースを与えてあげたりできそうなアイデアが出てくるか
今の自分の状態に気づいた上で、その状態を少しでも緩めたり、スペースを与えてあげるとしたら、どんなことが良さそうか、と意識を向けてみてください。
アイデアの例としては、ふかふかのクッションにハグしてみよう、外の空気を吸って深呼吸しよう、静かに一人になれる場所を確保しよう、好きな飲み物を飲んでひと息入れよう、など。
もしもアイデアが出たときは、ぜひ、実際にやってみてくださいね。
アイデアが出ない時は「何もしないでただそのままでいる」というのも1つの選択肢であることを見落としていないか、自分に聞いてみてください。
2.モヤモヤ、ザワザワなど今の不快な体の状態と一緒にいることはできそうか
状況によっては、感情の渦・思考の嵐に引っ張られることがあるかもしれません。
引っ張られはするけれども、引き込まれずに、体の状態と一緒にい続けることができそうなら、一緒にいる時間を持ってみましょう。
引き込まれるようなら、一緒にいるのは中止して、戻ってくることにトライしてみましょう。戻って来れたら、戻って来た場所で落ち着きが出てくるまで、十分な時間を持ってみましょう。
一緒にいるのはしんどそうだなという時は、一緒にいることにトライするのは見送り、自分の中に一時避難できそうな場所があるか探してみます。一時避難できそうな場所が見つかったら、そこで落ち着きが出てくるまで十分な時間を持ちましょう。
3.体の様子から、何か伝わって来るものがあるかどうか
モヤモヤ、ザワザワなど今の不快な体の状態としばらく一緒にいたときに、そこから何か伝わってくるものがあれば、それを拾えるか試してみましょう。
もしも拾えたら、伝わってきたものを受け取ったことを、ぜひ体に伝えてみてください。
4.「~べき」「~しなきゃ」「~したほうがいい」という思い
体の状態と一緒にいながら、自分の内側に出てきているさまざまな考えを観察できた場合に、「~べき」「~しなきゃ」「~したほうがいい」といった考えに気づいたら、書き出すことをおすすめします。
書き出して、改めて眺めてみて、「~べき」「~しなきゃ」「~したほうがいい」という表現が適切かどうか、自分に聞いてみてください。
「~べき」「~しなきゃ」「~したほうがいい」という考えが今の自分に必要かどうか、自分に聞いてみてください。
5.「本当は~したい」という思い
「~べき」「~しなきゃ」「~したほうがいい」という思いを眺めていて、もしも「本当は~したい」という思いが隠れていたら、ぜひ拾い上げましょう。
「本当は~したい」という思いが自分の中にあることを、体と一緒に味わってみる、ということをやってみてください。
何が出てくるかは未知
自分との対話で何が出てくるかは、まったくの未知です。
こんな感じのものが出てくるんじゃないかな、と予想して、だいたい当たっていることもあれば、まったく予想もしていなかったようなものが出てくることもあります。
自分自身を誘導尋問したり、先入観や期待などが入ったりすると、気づきの自己対話としては、あまり有効ではないです。
ですが、無駄な自己対話は1つもありません。
「なんか、誘導尋問しちゃったかもな」とか、「結局、いつものネガティブなグルグル思考になっちゃったな」というのも、「フィードバック」として言葉にするなら、それは、自分を眺めることができています。
どうなることを目指して対話するのか
ゴールや正解が先に存在していて、そこを目指して対話するわけではありません。
心や体がどこに向かいたがっているのか、それについて行くような感じです。
気づきの自己対話は、体も心もゆるむ方へ向かうので、それが目安になります。
これは「自分を甘やかす」とは違い、苦しくしている力をゆるめて、自分で自分を自由にしていく作業です。
ゆるむ方へ向かっている感じがしないときは、お手数ですが、一度私のセッションを受けていただいて、やり方を一緒に確認してみましょう。
著者:清水綾香