気づきの自己対話のやり方1 はじめかた

気づきの自己対話とは?

気づきの自己対話とは、ベクトルを自分に向けた、自分との健全な対話のことです。
健全とは、グルグル思考ではなく、問題の根本解決に向かっていける建設的な対話という意味です。

問題の根本が解消すると、もう繰り返さなくなるので、苦しさから自分を解放してあげられます。

日常の意識状態では見えていない自分の感じていること、思いや考えなど、自分にとことんコミットする対話です。
自分との対話と、自分とのおしゃべりは、ベクトルの向きと対話の深さが違います。

気づきの自己対話で気づけること

気づきの自己対話ができるようになると、次のようなことに気づけるようになっていきます。

●自分の本当の思い
●自分の思い込みや観念
●自分が苦しくなってしまう原因
●相手との心の境界線を超えていないかどうか
●自分自身のことや、人間関係でうまく行かないところの根っこにある、本当の原因

この記事では、気づきの自己対話を始めていくための準備について説明します。
対話の実際については、気づきの自己対話のやり方2というタイトルの記事で説明します。

自己対話のはじめかた

気づきの自己対話をするには、不可欠なことがいくつかあります。

1.ベクトルの向きを自分に向ける
2.自分の内面で何が起きているのかを観察する
3.自分の感情・感じていること、本当の思いや考えなどに耳を傾ける
4.分析やジャッジメントはしない

自分にベクトルを向けるときの注意点

気づきの自己対話は、自分にベクトルを向けて、自分の内面で何が起きているのかを観察することから始まります。
これは、「自分に非があったことを認める」ことではあるのですが、「反省する」「後悔する」「すべては私のせい」のスタンスとはまったく違います。

自分の内面にある、実際に起こっていること、隠れていた思いや感情を見つけていく作業です。

自分が、どんな思いや感情に苦しんでいたのかに気づくためのベクトルです。
たとえば、「なぜ私はあの場であんな言動をとったのか」について対話する場合、「相手が〇〇したから」ではなく、「私の中に〇〇という思いがあったから」となります。

その思いに気づくことで、反省や後悔ではなく、「その思いがあったら、あのような言動をとるのも無理はない」という思いを持つことができ、心がゆるむ方へ向かいます。

観察するときの注意点

観察するには、観察される側(対象物)と、観察する人との間に、ある程度の距離が必要ですよね。

自分の内面を観察するときも同様で、自分の内面と、観察する自分との間に距離を取ります。
自分のことを離れたところから眺める「視点」を、自分の中で作ります。

たとえるなら、自分のことを、あたかも他人のように位置付けて眺める、といった感じです。

自分の外面と内面はどれのこと?

ここで念のため、自分の外面と内面について整理しておきます。

●自分の外面・・・目や耳で認知できる部分。
         言動、振る舞い、動作、行動など

●自分の内面・・・目や耳で認知できない部分。
         心の中・頭の中のおしゃべり、体で感じていること、体感覚、心の痛みなど

自己対話において、「自分のことを観察する」といった場合、上記の区別がつく状態で、上記のすべてについて観察することを指します。

感じるモードと考えるモードの練習

自己対話の中では、感じるモードと考えるモードを、適宜使い分けます。
ほかの記事で詳しく述べていますが、感じるモードと考えるモードは同時には使えないしくみになっています。

そのため、感じるモードと考えるモードの、どちらを今使っているのか、自分で見分けられるようになる必要があります。

まずは日常の中で、ご自身の感じるモードと考えるモードに関心を持って、それぞれの違いを捉えてみることを始めていきましょう。

感じるモードと考えるモードの注意点

この場合の考えるモードとは、ベクトルを自分に向けた「冷静な分析や判断」のことを指しています。
考えさせられている思考ではなく、考える思考が使えている状態です。

一方、感じるモードというのは、「体の感覚を観察している状態」を指しています。
何かに感動したり、感傷的になっている状態とは異なります。

体と心をつながっているものとして扱う

心の重さや苦しさを、心のこととして切り離さないで扱います。
体と心は、実は、脳と自律神経系でつながっているので、連動しているからです。

観察するときに、体の感覚を観察するのもその理由からです。

感じるモードと考えるモードの違いについては
こちらを読んでいただくと理解が深まるかもしれません

観察については
こちらを読んでいただくと理解が深まるかもしれません

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